死が最も美しいなんて言わせない
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昨夜インフル予防接種のあと本屋で【赤川次郎 記念写真(短編集)】をゲット後カフェにて読んだ。
感動やったり恐怖やったり切なかったりいろんな内容が詰まってたんですが、横の男女の会話がもっともスリリングであった。
男「いや、否定はしないけどさ・・」
女、遮るように 「いいの!いいの!べつに理解してもらおうなんて思ってないから。そうゆうの慣れてるから。人間なんて"無"が基本なのよ。だから私からしたらソコニナニカガアルってゆうほうがすごく不自然。死を意識すると何もかもちっぽけに見えるのよね。」
男「うーん、そうゆうのも分からなくはないけど、ただ俺はもっと楽しい方に視線を・・・」
女、また遮るように「それはあなたの価値観!私は死ぬのなんてこわくないわよ。」
・・・・「じゃーさっさと死ねや!!!」
って怒らずに笑顔で受け答えしてる男性。なんだかその笑顔は悲しそうだった。
ポジティブとネガティブが議論をすると、基本的にネガティブが「勝つ」ように見える。議論に勝ち負けなんてないんだけど。
そしてなぜか彼女が放つ言葉たちのほうが美しさを帯びていると感じてしまう場面がある。
それは弱さを見せられる人間が美しいからなのか、その「ネガティブ」と呼ばれる感情はどの人間にもあることだからなのか、それは分からないけど、
『死が最も美しいと思う時期がある』
ちょうど読んでいた本にこんな感じの言葉があった。それに強烈に共感し、私はそれを見つめたあと彼女のほうを向いた。
彼女は終始窓の外を見ながら話していた。

- 作者: 赤川次郎
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/10/25
- メディア: 文庫
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