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主な登場人物:ルイ(4歳,男)・サキ(2歳,女)・ユリ(0歳,女)・夫(32歳,男)

初心者ディレクターが気をつける10のこと/在宅でライターの仕事ができる「nanapiワークス」をリリースしました

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■ これまでのあらすじ(読み飛ばし可)

わたしは約1年前(2009年夏)から(株)ロケットスタートの nanapi という How to サイト運営に携わっています。(参照:(株)ロケットスタートで働くことになりました

2010年3月、正式にフルコミットすることになり、東京へ引っ越してきました(単身赴任)。

そしてこの度、新サービス「nanapiワークス」のディレクションを1からやるという大役を任していただけました。


「在宅でライターの仕事をするサイト|nanapiワークス」 をリリースしました

nanapiワークスとは、nanapiに配信される記事を書き、採用されるとポイントが付与されるサービスです。(ポイントは現金とか商品券に交換することができます)

2010年8月3日(火)にリリースしました。登録には審査があるので、(あえて)壁を高くしているのですが、予想を上回るたくさんの方の応募をいただいています。記事数も、今までに比べて3倍ぐらい、1日の配信数が増えています。

nanapiワークスの中身は、百式の田口さんのブログで詳しく紹介されているのでそちらをどうぞ。

■ ディレクションをしました

さて、そんなnanapiワークスですが、実はペーペーの私が1からディレクションをさせていただきました。

ある日とつぜん社長(けんすう氏)に「ライターのための新しいサイトを作って!」と言われ、ぽかーんとした顔のまま「ああ・・・はい。」と答えたのを覚えています。

まあ、自分で言うのも何ですが「ほんとに任せられていいのか?!何も分からないけど?!」状態この上なし・・・。できる気がしないとはこのことだ、って感じ。だって作ったことも教えられたこともないんだもの。はっはっは。・・・脳内はこんな感じ。決して言わないけど。

nanapiを1年前から運営していたとは言っても、主に文章を編集したりのお仕事だったので「ウェブサービスを1から作る」なんてことは未経験だったのです。しかも私は元一般会社の腰かけOLで、仕事中ヒマすぎて個人ブログ(これ)を書いてインターネットの子になった・・・みたいなダメな人間です。

言い訳はこのぐらいにして、とりあえずやらなきゃーっって気持ちだけを持ち前進。右も左も分からないまま進むのはそれはそれはこわかった・・・。でも、そんな私でも何とかディレクションをやり遂げたということで、今回学んだことを共有させていただきたいと思います。

もちろん、会社によって人によって、上司によってディレクションの方法や見解が異なるかと思います。今回ご紹介することは、個人的な見解も含んでいること、初心者上に少しズレた見解があるかもしれないこと先に述べておきます。ご了承くださいませ。もちろんご指摘は喜んでお受けいたします!


■ 初心者ディレクターが気をつける10のこと

まず最初に「初心者ディレクターが気をつけること」を箇条書きでご紹介します。

  1. 最初に「なぜ作るのか?」「1番の目的は何か?」を上司(会社)と一致させよう
  2. 細かい部分はまずは気にしない
  3. 最初からキレイなワイヤーを描こうとしない
  4. 自分(ディレクター)以外の人の作業ができるだけ早く取りかかれるようにする
  5. あとから変更がきくところなのか、変更がきかないのかを必ず把握する
  6. おもしろいサービスにしようとしない、分かりやすいサービスを作ろうと思おう
  7. 「1番の目的」を見失わない
  8. やりたいことを全部詰め込まない、「どれだけ引けるか」の引き算方式で考えよう
  9. 感覚で作らない、全てにロジックを持つ
  10. 自分だけで決めない、人に相談・質問する柔軟性を持つ

1:最初に「なぜ作るのか?」という「大目標」を上司(会社)と一致させよう

何よりもまずこの作業をしっかりしましょう。自分のイメージや自分がやりたいことだけで先走らず、上司(会社)と意見を一致させることが大切だと思います。

私の場合、「なぜ新しいサービスが必要なのか?」「1番の目的は何なのか?」「どんなユーザーを増やしたいのか?」「このサービスによって会社はどう成長したいのか?」などを共有しあいました。おそらくこのおかげで揉めたり、話が違う、など根本的なトラブルが一切なかったのだと思っています。

目的を一致させたら、それを達成するにはどうするのか、どんな仕組みにすればいいのかをざっくりと考え始めます。そのときに頭が洪水のようになると思うので、ひたすら紙に書き出すことをオススメします。

↑ 今残っていた一部。この50倍ぐらいの量は書きまくりました(裏紙)。パソコンで打っていく、というのも良いですし場合によっては早いのですが、紙に書くほうが脳みそに直結している感じで個人的にはスッキリします。

2: 細かい部分はまずは気にしない

新しいサービスの目的などが決まったら、どんなサービスにするか考え始めます。考え始めた時はとても楽しいのですが、初心者ディレクターの場合すぐに頭がいっぱいになると思います。あれもしたいこれもしたい、もっとしたい、もっともっとしたい、みたいなことになります。そしてありがちなのが「細かいことばかり気になってしまう」ということ。「ここの位置はおかしいんじゃないか」「この文言はおかしいんじゃないか」「このページのリンクはどこになるんだろう・・・」などなど。ありがちな罠です。ありがちな罠につい引き込まれてしまうのです。

しかし、まずは細かいことは気にしないほうが良いと思います。師匠(けんすう氏)に言われたのは以下の図のように「同じ40%でも、最初は ”ざっくり全部の要素(ページやサービス内容など)を出す”方がよい」ということ。

1ページ分のアイデアを思いついても、それを細かく落とし込むと他の部分が全くできなくなってしまいます。しかも最初に考えたものなんてだいたい変わるので、思いついて細かく考えるよりも、全体像をつかむことに力を注いだほうが効率が良いです。実際の行動としては「ヘルプや利用規約なども含む、考えられる全部のページを出してみる」ということがオススメです。それをすると否応なしに全体像が把握することができます。

3: 最初からキレイなワイヤーを描こうとしない

ディレクターの頭の中にあるイメージを他の人に伝えるために「ワイヤー」というものを書きます。手書きでもいいですし、エクセルやワイヤー専用のツールを使ってもいいです。とにかく伝わればいいのですが、このワイヤーを作っているときが1番楽しかったりします。わたしは。

ただ、「2」に同じで、最初に思いついたものを細かくキレイに作ったところで、確実に変更になります。大きな要素だけが分かればよい、という割り切りで始めないと、ワイヤーを描いている間に時間がすごく経っていた、ということに陥りがちです。ちなみに以下、左が私が1番最初に描いた、nanapiワークスのトップページのワイヤーです(Cacooというワイヤーを描くサービスを使いました。ただ、どうしても重かったので後半はエクセルで描きました。)右がリリース時のnanapiワークストップページです。

 

大きな要素以外、ほとんどが変わっています。今考えれば、1番最初のワイヤーとは思えない細かさだと思います。頭の中でしっかりイメージできている、ということは大切ですが、もっと大切なのは「ワイヤーをつくることに時間をかけすぎない!」ということです。ワイヤーをつくるのが仕事ではなく、サイトを作るのが仕事なのです。

4: 自分(ディレクター)以外の人の作業ができるだけ早く取りかかれるようにする

「2」の、ザックリでいいのでサービスの全要素を出す、というのと、「3」で挙げている「ワイヤーに時間をかけすぎない」というのは、この項目でも大切になります。だいたいの全要素やワイヤーはディレクター以外の人に新サービスのことを伝える手段です。

ウェブサービスは、ウェブディレクターがサイトの企画・構成を考え、エンジニアがシステムを作り、デザイナーがデザインをする、というのが大まかな流れです。全部ひとりでやる人もいるかと思いますが、会社となると分業するのが一般的ですね。ですので、自分以外の人たちに、できるだけ早く伝えることができるということは、つまりサービスが早くリリースできる(できあがる)ということを意味します。

私の場合、ゴールデンウィーク前に「2週間後、ワイヤー提出ね」と言われ、「8月あたまにリリースしたい」ということだったので、実質2ヶ月半ほどしか時間がありませんでした。その2ヶ月半でエンジニアさんのスケジュール、デザイナーさんのスケジュールを考えて行動しなければならず、「とにかく、早く!早く!」という状態でした。ワイヤーを描く2週間ではもちろん全てが完璧にできるなんて無理で、細かいタスクはたくさん残ります。

しかしそこで大切なのは「何を伝えればエンジニアは動けるのか?」「何を伝えればデザイナーが動けるのか?」ということです。もうそれは一人で考えていても仕方ないので、本人に聞く、というのが1番早いし確実です。もしくはディレクターの先輩や上司に聞きましょう。経験を積むと暗黙に分かってくるであろう部分も、かっこつけて分かっているフリをせず、初心者ディレクターはきちんと聞くこと!これが大事だと思います。

5: あとから変更がきくところなのか、変更がきかないのかを必ず把握する

全体像の40%を考えたあと、「4」のとおりエンジニアさんやデザイナーさんに伝えます。そのあと60%の細かい要素などを洗い出していきます。しかし、どうしても決まらないことやすごく時間がかかりそうな部分も出てくると思います。そういった場合、優先順位を決めなければいけないのですが、大事なのは「あとから変更がきくところなのか、変更がきかないのか」ということ。

初心者ディレクターは、システムのこともしっかりと分かっているという人は少ないと思います。わたしの場合はエイチティーエムエルでサービスって全部できるんじゃないの?と思っていたほど無知でした。でも、システムはシンプルなようで複雑。一度決めると変更が難しい部分も多々あります。それを全て把握できていれば良いですが、そんなことも無理だし、エンジニアさんによって進め方は違うと思います。

だから、とにかく「これは一旦決め!でいいのか、もしくは変更なしでしっかり決めたほうがいいのか」を確認するようにしましょう。逆に言うと、エンジニアさんはそうゆう部分をディレクターに確認してあげるといいと思います。

6: おもしろいサービスにしようとしない、分かりやすいサービスを作ろうと思おう

ウェブディレクターなら、誰でもおもしろいサービスを作りたいと思っているのではないでしょうか。(「おもしろさ」の定義もいろいろですがここでは「物珍しい」みたいな感じを指します)

しかし、まずは「おもしろさ」は捨てたほうがいいと思います。もちろんサービス内容によりますが、他のサイトに全くない要素や動きを取り入れるということは、「おもしろい!!」と大絶賛される可能性もありますが「使いにくい」と言われ全く使ってもらえないサービスになる可能性もあります。分かりやすさを目指すためには、とにかく他のサイトを使ってみること!これまで無意識に使ってきたサービスも、「なるほど、ほとんどのサイトが右上にログアウトがあるんだな」とか「ユーザー設定もこの位置が多いんだな」というのが分かってきます。ほとんどのサイトがそう、ということは、たくさんの人がその使い方に慣れているであろう、という想像ができます。

「おもしろいサービスを考える」は、あとに取っておきましょう。初心者ディレクターは、まずは基本をしっかりと。あたりまえを、ちゃんと。「守破離」ですな。

7:「1番の目的」を見失わない

「1」で決めた、サービスの>1番の目的。当たり前ですが、忘れてはいけません。定期的に「ブレていないか?」という確認をしましょう。自問自答だけでは分からなくなったら、他の人に聞きましょう。聞くときのコツは「どう思いますか?」だけはNG。だって「それはディレクターが決めることだろ」とかいう内容もあるので。

「〜〜という理由でこの部分を追加したいのだけども、1番の目的である**ということに少し矛盾するような気もするのです。でも、YYYという部分も大事なのでつけたいと思うのですが、どう思いますか?」という相談の仕方なら、相手の意見を聞くことができます。それをキッカケに一緒に決定する、というパターンも多々あります。

8: やりたいことを全部詰め込まない、「どれだけ引けるか」の引き算方式で考えよう

「7」に近いことですが、やりたいことを詰め込みすぎると「1番の目的」がブレることがあります。「なんのためにこの機能は付けるのか?」をよく検討しましょう。ウェブディレクションが大好きな人ほどアイデアが浮かんでウキウキしてしまうかもしれません(わたしやな・・・)。しかし「どれだけ引けるか」が大切です。

ちなみに、私が1番ちからを入れていたnanapiワークスの「バッチ機能」。絵とかバッチキャラとかウキウキしながら考えていたものの、本番では見事にアリマセン。あっはっは。・・・そうゆうもんです。そゆもんらしいです。なくなった理由は「ポイントとバッチ、貯めていくものが2つあると混乱するかも?しかもロジックがややこしくなって時間がない今やると事故る可能性がある」と思って止めました。

9: 感覚で作らない、全てにロジックを持つ

今のロケットスタートという会社はどんな会社か?と聞かれたら、「ロジックの会社」と答えたくなるほど、ロジック思考が強いです。ビジネスでロジック思考は大切、というのは誰もが分かると思いますが「こ、ここまでか!」と感じるほどかと。

ディレクションにおいても、全てにおいて「ロジックは何か」と聞かれました。最初は感覚でつけてしまったけど、後付けでもいいのでロジック(つけた理由)を考えておきましょう。データがあるものはデータをロジックに、データがないものは仮説で良いと思います。そうすると、運営中もいろいろと役立ちます。これがしっかりしていないと「ユーザーからの要望だから=そのとおりにしよう」みたいになって、結局最終的にはユーザーの本質的な期待に応えることができなかったりします。そのあたりの詳細はこの記事がオススメです。

10: 自分だけで決めない、人に相談・質問する柔軟性を持つ

やっと最後です!最後はこれまでにも出てきているようなことですが、自分だけで決めない、悩まないこと。ウェブディレクターは上司とエンジニアとデザイナーの狭間にいます。自分の要望だけでなく、あっちの要望をこっちに伝えたり、逆もあったり。あっち立てればこっち立たず、みたいなこともあると思います。仕事力だけではなくそれぞれの人の性格などを観察しなければ難しいこともあります。

なので、場合によってはストレスが貯まったり、分からないことが分からないから分かるはずないじゃないか!!みたいな状態に陥ったりするかもしれません。そんなときは人に相談しましょう。がんばっていれば、きっと支えてくれる人がいるはず。そしてサービスはディレクションだけでできあがるわけではありません。がんばりつつ、肩の力を抜いて、頼れる部分は頼ってみんなで(チームで)作り上げていける雰囲気をつくりましょう!

■ いかがでしたか?

だいぶまとめたつもりですが、かなり長くなってしまいました。もう少し簡潔に言えるようにならないとダメですなあ。

全て今回の初ディレクションの経験から学んだことで、ディレクション理論とか全然書いていません。実践でわたしが陥ったことや気をつけたらうまくいった、という感じの例です。なので全ての人に当てはまるかは分かりません。

しかし、エンジニアさんやデザイナーさんにもいろいろいるように、いろいろな例が「ため」になると思います。この記事が今後ウェブディレクターを目指す方々や、Webサービスをつくっている人たちに少しでも役立てば良いなと思います。あと、わたしが教えていただいた師匠(けんすう社長)が優秀なディレクターなので、それを共有することは多くの人のメリットにもなると思います。

また、nanapiワークスは、id:wadap という敏腕エンジニア(nanapiもnanapiワークスもシステムは1人で全部作った男)のおかげで約2ヶ月という早さでリリースに持ち込むことができました。デザイナーさんはnanapiと同じ purprinさんです。こんな記事がとっても人気です。

このように、優秀な人たちと同じ仕事に取り組むことができて本当に成長することができました。周囲が優秀すぎて自分の不甲斐なさに落ち込むこともありましたが、「あきらめなければ道は開ける」と purprin さんに励ましていただきがんばれました!(ぷるさん、タイトなスケジュールでありがとうございました!)

ここで思い出したけど、リリース前(も今も)「初心者だから分からない」ということだけはクチにしないでおこうと決めていました。そうゆう姿勢を持てば、周囲の人は支えてくれるのかもしれません。初心者ディレクターのみなさま、がんばりましょう・・・!


最後に大切なことを。

悩んで苦しんで楽しんでディレクションし、やっとリリースできたのは嬉しいことだと思います。しかし、しかし、、、

サービスはリリースがスタート時点です!!


そうです、これが俗に言う「わたしにはスタートだったの あなたにはゴールでも現象」です。

終わりはない。つねに成長を見守り、それを手助けしなければいけません。ほんと、子育てと同じですね・・・。私の初産は、人間の子ではなくnanapiワークスというウェブサービスでした。

そんな私の愛すべき子たち、nanapi「在宅でライターの仕事をするサイト|nanapiワークス」、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


それではみなさま、ごきげんよう。良いディレクションライフを!